適正な動物実験に向けて

実中研では動物実験における3Rの原則および5 freedomに配慮し、動物実験の適正性を自ら審査・点検しています。

動物の愛護及び管理に関する法律に規定されている3Rの原則は、動物実験の国際原則であり、これを私たちは科学的視点をもって早い段階から研究基盤に取り込みました。そして、3Rの原則に加え、動物福祉の指標である5 freedomにも配慮した適切な動物実験を行うために明確な機関内規定を策定しました。
規程により、実験計画の審査や飼育環境の調査、実験実施者への教育等を行う動物実験委員会を設置し、動物実験の適正性を自ら審査・点検しています。併せて、動物実験の苦痛カテゴリーを正しく判断し、かつ実験実施者の教育に役立てるために、先進的な取り組みとして実験処置コード表を作成し公表するなど、動物福祉に配慮した動物実験を実践しています。また、科学的合理性と動物福祉のバランスを大切にしながら、マーモセット、NOGマウスなど医療や創薬に役立つモデル動物や実験技術の開発に取り組んでいます。一方、短期発がん感受性試験で使用されるrasH2マウスの開発、MRIなどのイメージング技術の開発により使用する動物数を削減に向けた取り組みを進めています。これらの取り組みを通じて、人々の健康増進と世界の医学・医療技術の向上に貢献していきます。

3Rの原則

Replacement:代替法の利用

コンピュータシミュレーションなど動物を使わない方法に置き換えること

Reduction:使用動物数の削減

イメージング技術の利用等により同一個体での経時的な観察を通じて、実際に使用する動物の数を最小限にすること

Refinement:苦痛の軽減

科学目的を損なわない範囲での鎮痛剤の使用、環境整備等により動物に与える苦痛やストレスを最小限にする方法を採用すること

5 freedom

1) 飢えと渇きからの自由

栄養と清潔な水が十分に与えられ、健康を保てること

2) 不快からの自由

快適な環境(温度・住環境・寝床など)が提供されること

3) 痛み・傷害・病気からの自由

怪我や病気の予防・診断・治療が受けられること

4) 本来の行動を表現する自由

種に特有な自然な行動ができる空間や仲間、刺激があること

5) 恐怖や苦悩からの自由

精神的なストレスや不安を感じる状況を避けられること

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